メンテナンス日記 キャブレータ清掃
みなさんは、エンジンがかからない、吹かすとかかるけどアイドリングはしない、
エンストするがもう1度かけるとかかる…、といったトラブルの経験がありませんか?
もしかしたら、キャブレター内のゴミがジェットを詰まらせてしまっている可能性があります。
ガソリンが正しく供給されないとエンジンは機能しませんので、月に1回程度清掃をしましょう。
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赤丸部分が、キャブレータです。
この小さな部品が燃料と空気を最適な濃度にすると共に、アクセルワークに合わせて連続的な加速を生み出します。
ボクは、ゴミの侵入を抑制するために、左上の矢印部にフィルタを追加しています。
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各部の名称と役割です。
【フロート室】
ガソリンの液面高さを一定に保ち、燃圧を一定にします。
【スロージェット】
アイドル時やごく低速時にガソリンを供給します。
ここが詰まるとアイドルしなくなります。
【メインジェット】
アイドル時やごく低速時以外にガソリンを供給します。
ここが詰まると、加速しなくなります。
【スローエアブリード、メインエアブリード】
ここを通った空気とガソリンが混ざり、噴出します。
【アイドルアジャストスクリュー】
アイドル時のガソリン供給量を調整します。
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フロートを取り出して、フロート室の底を見てみます。
なにやら、赤茶の粉が見えます。
タンクのサビでしょうか…?
前回清掃したのは、2か月前ですが…。
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フロート室のガソリンを抜きます。
抜く方法は、メインジェット内蔵ボルトを緩める、です。
ところで、みなさんの車には、キャブレター下のトレーは付いていますか?
下にスタータケーブルがありますが、ここにガソリンが垂れて火花が飛んだら…。
もし無い場合は、手に入れて取り付けましょう。
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トレーから流れ出たガソリンは、しっかりと下で受け止めましょう。
環境破壊になりますからね〜。
ついでに、ジェット類の洗油として活用しますよ〜。
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ひと通り、部品を外しました。
外すときの注意点です。
ジェットやブリーザは、マイナスドライバーで取り外しますが、真鍮でできているため、
欠けてしまうことがあります。
幅が合った工具を使って取り外してください。
アイドルアジャストスクリューは、着座するまで一旦締め込んで、締め込むときに何回転回したか、記録しておきます。
戻すときは、その回転数に合わせます。
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外した部品は抜き取ったガソリンやブレーキクリーナ、その他クリーナを使って洗浄します。
ジェット類は、細い針金を穴に通して、貫通していることを確認します。
洗浄が終わったら、組み間違いがないように並べます。
特に、エアブリードは穴径が異なります。
組み間違いはエンジン不調に繋がるので、注意しましょう。
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キャブレター本体を清掃します。
ボクは、ガソリン+歯ブラシでゴシゴシこすって、最後にブレーキクリーナで洗い流しています。
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<おまけ>
キャブの側面に、こんなラベルがあります。
みなさんの車は、見えますか?
ボクの車は、最初見えなくて…。
初めて見えたときは驚きました。
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ジェットやブリーザを外したところに、キャブレタークリーナやブレーキクリーナを流し込んで、ゴミを排除します。
フロート室、きれいになりましたね。
掃除のコツは…、ボクは高いところから順にブレーキクリーナをシュ〜ッと吹いていますが、特にないと思います。
みなさんが納得いくまでやればいいと思います。
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洗浄が終わりました。
しょっちゅうやっているので、あまり変化感が無いように見えますが、自分なりにはきれいになったと感じています。
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洗浄が終わったら、戻していきます。
ジェット、ブリーザは、元の位置に戻すだけでOKです。
アイドルアジャストスクリューは、一旦締め付けたうえで、外すときに記録した回数だけ回して戻します。
もし記録し忘れた場合は、締め付けたうえで2回転半ほど戻し、実際に運転しながら調整してみてください。
締めるとガソリンが減り、緩めるとガソリンが増えます。
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フロート室のコルクが、変形している場合は交換します。
新品と比較すると変形は一目瞭然ですね。
交換に備えて、予めコルクシートを切り出しておきましょう。
交換頻度は…、2年に1回ぐらいですかね。
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これまで付いていたものをフロート室に載せてみます。
全体的に縮んでしまっています。
これではシールしてくれませんね…。
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新品を載せてみます。
ばっちりシールしていますね。
シール不良でゴミや水分が入ってしまうと、エンジン内部に回り込んでしまいます。
それが原因でエンジンを壊してしまうと、高い代償を払うことになるので、ケチケチせず早めに交換をしましょう。
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全てが終わったら、エンジンをかけてみます。
ばっちりかかりましたので、これで完了です。
アジャストスクリューの位置が分からなかったときは、走行試験をして必要に応じて調整しましょう。
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