全日本てんとう虫の会
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メンテナンス日記 キャブレータ清掃

みなさんは、エンジンがかからない、吹かすとかかるけどアイドリングはしない、
エンストするがもう1度かけるとかかる…、といったトラブルの経験がありませんか?
もしかしたら、キャブレター内のゴミがジェットを詰まらせてしまっている可能性があります。
ガソリンが正しく供給されないとエンジンは機能しませんので、月に1回程度清掃をしましょう。

キャブその1 赤丸部分が、キャブレータです。

この小さな部品が燃料と空気を最適な濃度にすると共に、アクセルワークに合わせて連続的な加速を生み出します。

ボクは、ゴミの侵入を抑制するために、左上の矢印部にフィルタを追加しています。
キャブその2
各部の名称と役割です。

【フロート室】
ガソリンの液面高さを一定に保ち、燃圧を一定にします。

【スロージェット】
アイドル時やごく低速時にガソリンを供給します。
ここが詰まるとアイドルしなくなります。

【メインジェット】
アイドル時やごく低速時以外にガソリンを供給します。
ここが詰まると、加速しなくなります。

【スローエアブリード、メインエアブリード】
ここを通った空気とガソリンが混ざり、噴出します。

【アイドルアジャストスクリュー】
アイドル時のガソリン供給量を調整します。

キャブその3 フロートを取り出して、フロート室の底を見てみます。

なにやら、赤茶の粉が見えます。
タンクのサビでしょうか…?
前回清掃したのは、2か月前ですが…。
キャブその4 フロート室のガソリンを抜きます。
抜く方法は、メインジェット内蔵ボルトを緩める、です。

ところで、みなさんの車には、キャブレター下のトレーは付いていますか?
下にスタータケーブルがありますが、ここにガソリンが垂れて火花が飛んだら…。
もし無い場合は、手に入れて取り付けましょう。
キャブその5 トレーから流れ出たガソリンは、しっかりと下で受け止めましょう。 環境破壊になりますからね〜。
ついでに、ジェット類の洗油として活用しますよ〜。
キャブその6 ひと通り、部品を外しました。

外すときの注意点です。
ジェットやブリーザは、マイナスドライバーで取り外しますが、真鍮でできているため、 欠けてしまうことがあります。
幅が合った工具を使って取り外してください。

アイドルアジャストスクリューは、着座するまで一旦締め込んで、締め込むときに何回転回したか、記録しておきます。
戻すときは、その回転数に合わせます。
キャブその7 外した部品は抜き取ったガソリンやブレーキクリーナ、その他クリーナを使って洗浄します。
ジェット類は、細い針金を穴に通して、貫通していることを確認します。

洗浄が終わったら、組み間違いがないように並べます。
特に、エアブリードは穴径が異なります。
組み間違いはエンジン不調に繋がるので、注意しましょう。
キャブその8 キャブレター本体を清掃します。

ボクは、ガソリン+歯ブラシでゴシゴシこすって、最後にブレーキクリーナで洗い流しています。
キャブその8.5 <おまけ>

キャブの側面に、こんなラベルがあります。

みなさんの車は、見えますか?
ボクの車は、最初見えなくて…。
初めて見えたときは驚きました。
キャブその9 ジェットやブリーザを外したところに、キャブレタークリーナやブレーキクリーナを流し込んで、ゴミを排除します。
フロート室、きれいになりましたね。

掃除のコツは…、ボクは高いところから順にブレーキクリーナをシュ〜ッと吹いていますが、特にないと思います。
みなさんが納得いくまでやればいいと思います。


キャブその10 洗浄が終わりました。

しょっちゅうやっているので、あまり変化感が無いように見えますが、自分なりにはきれいになったと感じています。
キャブその10.5 洗浄が終わったら、戻していきます。

ジェット、ブリーザは、元の位置に戻すだけでOKです。
アイドルアジャストスクリューは、一旦締め付けたうえで、外すときに記録した回数だけ回して戻します。

もし記録し忘れた場合は、締め付けたうえで2回転半ほど戻し、実際に運転しながら調整してみてください。
締めるとガソリンが減り、緩めるとガソリンが増えます。
キャブその11 フロート室のコルクが、変形している場合は交換します。

新品と比較すると変形は一目瞭然ですね。


交換に備えて、予めコルクシートを切り出しておきましょう。
交換頻度は…、2年に1回ぐらいですかね。

キャブその12 これまで付いていたものをフロート室に載せてみます。

全体的に縮んでしまっています。
これではシールしてくれませんね…。

キャブその13 新品を載せてみます。

ばっちりシールしていますね。
シール不良でゴミや水分が入ってしまうと、エンジン内部に回り込んでしまいます。
それが原因でエンジンを壊してしまうと、高い代償を払うことになるので、ケチケチせず早めに交換をしましょう。
キャブその14 全てが終わったら、エンジンをかけてみます。

ばっちりかかりましたので、これで完了です。
アジャストスクリューの位置が分からなかったときは、走行試験をして必要に応じて調整しましょう。

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