メンテナンス日記 ディストリビュータ脱着
ディストリビュータは、クラッチカバー内でギア駆動しています。
このギアには定期的なグリス供給が必要ですが、初期型以外は脱着する必要があります。
取り外すのは簡単でも、復元するにはコツが必要です。
ここでは脱着方法を紹介します。
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ディストリビュータは、丸く囲まれた部分の部品です。
クランクシャフトと同一回転数で回転しつつ、イグニッションコイルの1次コイルへの電源断続を行います。また、2次コイルからの電気を各気筒に分配しています。
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キャップと1次コイル電源断続用の配線を取り外します。
キャップは茶色く、プラグコードが差し込まれているもの。
配線は矢印部にナットで固定されていますので、ナットをスパナで緩めて外します。
外したものは、オイルタンク上に乗せておくと邪魔にならないと思います。
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デスビを固定しているボルトを取り外します。
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はい、抜けました。
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では、戻してみましょう。
まず、サービスホール内に数字が見えるようにします。
以下の数字近辺になるようにしておきましょう。
・13°(進角ガバナ付)
・17°(進角ガバナ無)
ボクは進角ガバナ無なので、17°に合わせています。
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デスビを挿入します。
※挿入する前には、ギアにモリブデングリスを
たっぷり塗布してください。
挿入するときのコツです。
1.シャフトの位置
シャフトを時計回りに回転させて、ポイントが開く寸前
の位置にしておきます。
サービスホール内の数字で点火する=ポイントが
開きますので、開く寸前の状態にしておきます。
2.ローターの位置
写真の位置にしてください。
点火時期調整は、1番(右側)気筒に対して行います。
よって、1番気筒のプラグコードに電気を流せる位置に
ローターを配置する必要があります。
3.挿入方法
シャフト位置が動かないよう、ロータを手で押さえながら、
ギア歯形に合わせて、回転させながら挿入します。
挿入後、デスビ固定ブラケットの孔に合っていることを
合うようにします。
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ギアはねじれていますので、挿入時は回転します。
ギアとかみ合う直前の位置はここ。
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挿入が完了した位置はここ。
コンデンサの位置を参考にしながら挿入開始位置を決めてください。
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うまく挿入できたら配線を接続します。
接続できたら、デスビを回転させてパチッという音と火花が出るタイミングを確認します。
ジェネレータのプーリを手前から奥(矢印の方向)に向かって回します。
指定角度でパチッという音、火花が出ればOKです。
出ない場合は、デスビを回転させてチューニングします。
時計回りに回すと早く(数字が大きく)、半時計回りに回すと遅く(数字が小さく)なります。
位置が決まったら、ボルトを本締めします。
締める時に点火時期がズレる場合があるので、点火時期を確認しながら締め付けましょう。
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